私は現在、役員クラスの採用支援に携わらせていただいており、お陰様で豊富なキャリアを歩んでこられた方々と対話する貴重な機会に恵まれます。
そんな時、私が必ず伺う定番の質問があります。
「これまで、周囲からどのように評価されてきましたか?」
お会いする方々は皆様、お人柄も素晴らしく、驚くほど謙虚な方が多いのがこの層の特徴です。会社の業績立て直しに貢献されながらも「優秀な上司に恵まれ、その背中を追っていたら自然と役員に選ばれていた」とおっしゃる方、新規事業を成功させた実績がありながらも「役員に引き上げられたのはたまたま女性管理職が自分一人だったから」とおっしゃる方など…
こうした言葉を、本気で「運が良かった」とおっしゃるのです。その奥ゆかしさは美徳ですし、だからこそ人望が集まるのだと思います。
一方で、初対面の第三者である企業側から見れば、それが「実力による昇格」なのか、単なる「年功序列やタイミング」なのかが見えにくいのもまた事実です。
実際、面談での印象が控えめすぎて、企業から「少し物足りない」「リーダーとしての押し出しが弱い」とフィードバックをいただくこともあります。そんな時、私は候補者の方に「もっとアピールしてください」とだけ伝えることはしません。
「人事や経営層の視点からは、今のエピソードはこう見えますよ」と、具体的にフィードバックしながら、周囲との関わり方や、部下・他部門とのコミュニケーションの深さを丁寧に紐解いていきます。時には企業側に「あの謙虚さの裏には、これだけの泥臭い試行錯誤がある」と補足説明を行うこともございます。
もちろん謙虚さは素敵ですが、我々の前ではぜひ、綺麗事だけではない「キャリアの背景」を包み隠さずお聞かせください。その言葉にできない「凄み」を言語化し、企業へ正しく橋渡しすることで、より良いご支援ができればと考えています。